足元への配慮があるお風呂が必要です
いくつになってもお風呂は気持ちがいいものですし、入浴を楽しみにしている方は多いと思います。ですが、ご高齢になると若い頃には考えもしなかった危険もバスルームには潜んでいる事を忘れてはいけません。まず指摘しておきたいのが、足元の不安定さです。バスルームは常に濡れているため滑りやすい環境にあります。もちろん若い人ならそうした事は気にならないでしょうが、人の筋肉量は20代をピークに衰えはじめ70代では約半分にまで落ちてしまうといいます。足腰が弱っている状態では、思っているよりも簡単に転倒してしまいます。床に滑りにくい素材を採用したり、要所に手すりや持ち手を取りつけたりといった工事を行う事で、転倒の危険性は大幅に緩和出来ます。
急な温度変化にも注意が必要です
もうひとつ高齢の方に気を付けて頂きたいのが、急な温度の変化です。バスルームは日常的に使う場所ではないので、特に脱衣場は他のお部屋よりも室温が低くなりがちです。また、浴室もカビの発生などを防ぐためには換気も重要ですので結果的に温まっていない場合もあります。こうした場所で体を保温していた衣服を脱ぐと、冷たい外気に直接的にさらされる事になり、血圧の上昇などのショックを起こす危険性があります。循環器系の負荷は、血管の弱くなっている高齢者にはとても危険です。こうしたショックを与えないためには、バスルームに温風設備を設けることが望ましいでしょう。換気扇と一体となった設備の場合ですと、バスルームと脱衣場の間のドアを開けて利用できるものもあります。
建築士とは異なり建築家には国家資格が必要ありません。そのため建築家に注文住宅を依頼する際は、念のためその建築家の建築実例を見ておくことが推奨されます。